ご無沙汰しております。タマミです。
今頃ですが、2014年観た映画のBEST3についてお話しようかと思います。
2013年は暇人のなせる技炸裂で
DVDは60本、映画は14本を観ましたが、
2014年は多忙になってしまったせいで
DVDは19本、映画は12本。相当減ってしまいましたが。
で、この映画12本の中から選びましょうか。
2014年始めに観たジャームッシュ監督「ONLY LOVERS LEFT ALIVE」は
ロマンチックでサントラもかっこいいし、
「KICK ASS JUSTICE FOEVER」は痛快で笑ったし(きっと続編あるよね)、
ゾンビ映画といえばのエドガー・ライト監督「THE WORLD’S END」は
笑いつつもSF具合には不思議な感覚になった作品だった、
DISNY映画って心から興味ないんだけど「マレフィセント」は
DISNY映像チームの最強スキルに・これは本当の魔法じゃないかと思ったし、
賛否両論の問題作・園子温監督の「TOKYO TRIBE」は
うーん、でしたが。(この作品で園子温監督を判断してほしくないのですよ、ファンとしては)
・・・
て、BEST3ランク外の話しに盛り上がってしまいましたが、
BEST3いきましょう。
「MOVIE@theater」
BEST1:HER/スパイク・ジョーンズ監督
BEST2:天才スピヴェット/ジャン=ピエール・ジュネ監督
BEST3:NYMPHOMANIAC 1&2/ラース・フォン・トリアー監督
Bjork主演で有名な「DANCER IN THE DARK」の監督でお馴染みの
ラース・フォン・トリアー監督の待望の新作「NYMPHOMANIAC」。
性に貪欲なヒロイン・ジョーの半生を振り返るエロティック追憶ドラマ。
性むきだしの作品。
いやー、映画館のスクリーンで
あんなにまでアップでシャルロット・ゲンスブールの女性器やお尻を観るとは!
実際に(!)あれこれしていますので、云々を観るのが苦手な人にはお勧めしません。
でも、ただのエロだけでなくて、小さな笑いもちりばめた
哲学的でクレバーな作品だったし、監督の几帳面以上に神経質さがいっぱいに描かれていて
印象深い作品でした。
この作品をただのポルノだと否定する人は考えが乏しいんじゃないかなぁ、
って毒を吐いてすみません。映画の良さってこういうことだと思うんですよね。
表現の自由っていうか。
音楽も同様、表現の自由のすきまに自分の考えや感覚の割合を入れこんで
完成に近づけるっていうか。
で、みんな、それぞれ自分の性癖ってどれほど理解しているかしらと思ったり。
比較的近年のフランス映画って、特有のシニカルでコミカルで
おじさんが好みそうなギャグ(←私も好きなクチですが)が
意外と含まれる作品に多く出会っているのですが、
その中で「アメリ」という作品はこのキーポイント且つ大好きな作品のひとつでもありまして。
女子ウケの雰囲気が先行する「アメリ」かもしれないけれど、
「アメリ」の手法は男性にしかできない(ジュネ監督)の職人気質を感じるんですよね。
『嗚呼、思うように出来なかった・・・』と落ち込む主人公の気持ちを
身体があっという間に水になってずるずるーって流れていく映像で描いたり、
昔のフランスの名作(トリュフォー監督「突然炎のごとく」)の
ジャンヌ・モローの名シーンのフィルムの汚れを「ここ、気になる!」と指摘するとか、
『今、この瞬間に絶頂を感じているカップルはさて、何組?』ってシーンがありますが、
これらの表現力や発想力は男性さながらの面白さだと思うのですよね。
そんなジュネ監督の最新作「天才スピヴェット」、3Dで観ました。
モンタナに暮らす10歳の少年スピヴェットは、天才的な頭脳の持ち主。
しかし、時代遅れなカウボーイの父と昆虫の研究に夢中な母、アイドルになりたい姉という家族に、
その才能を理解してもらえない。
本の中の文章や図式を3Dで浮き上がらせたりと
今までの3Dの概念でない表現が多く、ジュネ監督らしさに大満足。
この時期に上映中で「家族」がテーマになっているのは意外と多く
他に「ABOUT TIME」や「INTERSTELLAR」とかありましたが
私はあまりにもクドい家族愛とかを描く作品は苦手で、
だけどジュネ監督の力加減でさりげなく書かれた「家族の話」がちょうどよかったわけで。
笑いあり・皮肉あり・さりげなく涙ありのさらりと観られる素敵な作品でした。
ジュネ監督の作品の中では比較的静かめとも感じましたが、どうでしょう?
さて。
2014年のNo.1映画は「HER」ですね、きっぱり。
スパイク・ジョーンズ監督は言わずもがな映画以外でもPVやアート界でも有名。
FATBOY SLIMのPVでスーツ姿のクリストファー・ウォーケンが
ホテルの中で踊るインパクト大なあれも、スパイク・ジョーンズの名作です。
「マルコヴィッチの穴」「ヒューマンネイチャー」「かいじゅうたちのいるところ」と
独特な作品も多く作り上げています。
人工知能型OSシステムに惹かれる主人公と、
生身の
「リアル」って何だろう。
どんな相手にせよ
惹かれて寄り添いながら生きて行く関係は
リアルに違いないはずで。
自分の抱いた感情そのものはリアルなんじゃないかなぁとか
あれこれ考えさせられた、心に響きまくった素晴らしい作品でした。
(‘この作品観たさに映画館で2度体験しました)
なかなかエキセントリックな恋のおはなしですが、
近い将来にきっと起こりうるんじゃないかなぁとも思います。
この映画の成功の秘訣のひとつは
やっぱりスカーレット・ヨハンソンの色気炸裂の声と、
主人公のフォアキン・フェニックス(リバー・フェニックスの弟さん)の
言葉少なめでの悲しい表情かなぁと思います。
後に知ったのですが、この「HER」は
元パートナーのソフィア・コッポラ監督が描いた
「LOST IN TRANSLATION」へのアンサームービーだったとか。
こちらの主演にもスカーレット・ヨハンソン。
感慨深いことをしますね。
2015年はどんな映画と出会えるか、もの凄く楽しみであります。
ウディ・アレン監督やティム・バートン監督や園子温監督の新作も予定されていますし、
なんてったってSTARWARSイヤーですしね。
というわけで。
さよなら。さよなら。さよなら。