普段あまりしませんが、第7回秘密の宮廷ゴールデンタイムCUISINEセルフレビュー。敬称略でいきます。
【CUISINE】
AGAGA・・・他人がしないようなMIXと食い合わせの意外性が比較的すんなりと上手くいったと思います。気がついたらいつの間にかこっちに来てたという歩道エスカレーターのような速度は日本発〜ニューヨーク経由〜未開の地行きでした。
HINACLE・・・今回の(DJ)MVP。僕の考えるヒップホップを現してくれました。やはり考えている事は同じのようで。同じと言っても全く同じレコードはかけませんが、根底にある考え方という意味で。前回のCULT QUEEN’S GARDENの時のプレイを更に発展させたGOLDEN TIME仕様。オールドスクールで且つニュースクール。ワカルかなあワカンねえだろうなあ。というのはウソで解りやすいんですよ。
CHINONE・・・若さの割に渋さも兼ね備えたプレイ。イキイキとしたルーティンであっと驚くようなネタが満載。古い音楽ファンも聴き込めるような曲も自由にかけるので聴いていて安心。本当に20代前半なのかは不明(笑)。
NaIan・・・今回初参加の氏は、現場の雰囲気など事前に言葉でしか伝えていなかったのに安定感と聴きやすさ乗りの良さを演出して雰囲気をいとも自分の世界に持って行くという凄腕。あっという間にNaIanの世界でした。今までの僕たちにはない世界を創ってくれるので大満足。というのもまだまだ実力を出し切ってないから楽しみなのですね。今回は序の口でしかなかった訳です。奥に控えた秘密のキラーチューンが次回以降待っているのです。
THE DODOITTSU・・・僕はステージ上でしかも上手後方のため、下手前列くらいしか視界がなく狭い世界の中での演奏でしたが、妖しい雰囲気を出しつつ全体的にはいつもの爆発を魅せたので流石だなと。新曲も披露したし、ノリの良いFUNKも。
THE DODOITTSUとは大騒ぎとキュートが同居した、人間界には希有のTRIBEなのであります。
サブリミナル古典都市・・・準備に時間がかかってしまったけど始まってからの30分間、集中した演奏が出来て感無量。今回はエレクトリック路線が若干強めのように見えるが、実は全てハーフ&ハーフで演奏と打ち込み、デジタルとアナログをこなしておりライブセットとしても聴き易め(のはず)でした。今回から演奏中にライブダブも加わりより一層厚みとゆがみを増したのでこれからが個人的にも楽しみ。Mr.VTRの映像は既になくてはならないものになっており、古典都市という都市における物語を捉える事が出来るならそれは視覚と聴覚のありそうでないファンタジーのハーフ&ハーフなのであります。
TRIBAL BASEMENT・・・音圧が一番高かったであろう。毎回パワーアップするという事は本当に難しい事で、それをやってのけるという事は並みではないです。エキゾチックと凶暴さと切なさが妖艶に混じり合うという情景は何とも不思議。伊尼mで似ないタイプのサウンドです。それにプラスしてMr.VTRの投影がステージに向けられてサイケデリック感も増幅。演出にも素晴らしいものがありました。
Mr.VTR・・・映像というものはいかほどにも変容するということを実演し、いかほどにも訴えるという事を体現。毎度の事ながら安定した映像を供給してくれ、ありきたりのプリセットグルグルVJなどとは一線を画す存在。 やはり映像を任せるというのはニュアンスとセンスがぴったり合わなければチグハグなものになってしまうけれど、それを分析しアウトプットし直す能力の優れた持ち主。
ニコラス亭 桂二・・・言葉という発音技法の中で高度な技術を要する、お笑い。それを「話」だけでやってのけるという技は誰もが簡単に出来るという事ではありません。大喜利というセンス比べは実はそれをもとに技術が広げる容易ではなく、どんな雰囲気においてもコミュニケーションの一方通行から双方向の通行に切り替えなければならない訳で、場の風通しを良くするキーポイントでもあり、それを限られた時間でこなすのは実力の証拠。
五嶋英門・・・イラストレーションのファンは沢山いるはず。今回のオーダーの仕方も雰囲気を伝えただけで出た結論「何やっても良いのね」。でも何やっても良いという言葉の裏には僕の意図する話の筋をふまえているという自信と絶対に良いものが出来上がるという信頼があって出来上がったもの。やはりもの凄いものが出来上がってました。このイラストレーションは好きすぎるくらい。
【美術制作部】
左利きの脳みそ・・・天井のシャンデリア風のキラキラは364本の輝き。短い時間での閃きと直感で場の雰囲気を察したのでしょう。見事に空間を何倍もの素敵な場所に創り変えてくれました。どこに居ても視界に映り込むというオールタイムライブを決行しており、インスタレーションよりも静かな且つ圧倒的な存在感を現してくれました。
デコレーション額も2点を展示。蝶々の入ったきらびやかなそれは、ビーズで彩られた立体の美しさを良り一層引き出すものに。
motherwomb.kei・・・パッチワークは壁一面に歴代の秘密の宮廷ゴールデンタイムとCULT QUEEN’S GARDENを。それ以外にも独自の観点から映し出された世界が色とともに眼に飛び込んできます。それは断片的な接続であるにも拘らず一つの物語のようでもありふと立ち止まって考えてしまうもの。
デコレーション額では12点を展示。様々な世界を一つの世界に持ってきたような額の世界。額の大半を彩るため世界観の根底に属します。
大森宏一・・・前回の秘密の宮廷ゴールデンタイムの時に作成を依頼しており、宮廷のイメージを創るものとなりました。大森宏一独特の技法で創られたファンタジーは具体的な内容を伴っておりなんとも言いがたいリアリティを創出。これまでのイベントフライヤーも混ざって使われており、近づくと断片がよく解ります。これが無ければこの額シリーズは締まりません。
AGAGA・・・デコレーション額を4点展示。気持ち悪いとも言われたクモの巣シリーズとコラージュを2点ずつ。個人的には気に入ってます。
Mr.VTR・・・ステンシル額。これは見事な発想。アイデアの宝庫ですね。これさえあれば中に何が入っていてもカッコいいです。それくらい素晴らしいものでした。サイズが更に大きいものでフロアにも映像の枠としても使われていてフロアでの唯一の美術作品となってました。
VIDEO TAPE展示。映像は磁気と摩擦の結晶であるという事を如実に伝える生々しさ。会場で作成のクライマックスを迎える瞬間の作者のイキイキとした表情が素晴らしかったです。
HINACLEの友人(名前をお聞きするのを忘れました)・・・毛筆で題字を書いてくれました。これも素晴らしい。普通じゃない事が伝わります。奥が深いですね和というのは。